クラウド型ホテル管理システム導入で
遠隔地でのリアルタイム管理を実現し、
業務の効率化を目指す。

株式会社ズイカインターナショナル(長野県下高井郡)
IT導入補助金2020 A類型

「マウンテンリゾートを元気にする」をスローガンに
ITを活用して経営力の向上と事業拡大に挑む。

<抱えていたお悩み>
遠隔地からリアルタイムで空室管理やデータの分析を行いたい。

弊社は、日本最大のスノーエリアである長野県の奥志賀高原で「ホテルグランフェニックス 奥志賀」を運営しています。国立公園の中という立地で、年間を通して大自然を中心としたアクティビティでご利用いただいております。

弊社では10年以上前からオンプレミス型のホテル管理システムを利用して宿泊管理業務を行っていたのですが、自社サーバー内での運用ですのでホテル内でなければ空室状況などをリアルタイムに確認できませんでした。

また、大手宿泊施設向けのシステムだったため、当ホテルの規模感に合わせたカスタマイズが難しいという課題もありました。弊社の管理部門や営業部門は東京都内を拠点にしているため、空室状況を確認するためには現地スタッフに電話やメールで都度確認するしか方法がなかったのです。

そこでホテルの空室状況を確認して旅行代理店向けの商品提案をクイックに行ったり、経営状況をリアルタイムで把握したりして業務効率を向上するべく、新たにクラウド型のホテル管理システム導入を検討していました。

<導入したITツール>
業務の効率化を目指して、クラウド型の旅館・ホテル管理システムを導入。

IT導入補助金を活用して導入したいという大前提がありましたので、まずは対象となるクラウド型のITツールを探しました。

数はまだそれほど多くはないのですが、弊社の規模感に合わせやすいフレキシブルなものをという観点で、複数のITツールを検討していきました。その中で、オーダーエントリーや業務効率化を図る機能が搭載されている点などを総合的に判断して、株式会社陣屋コネクトさんの「陣屋コネクト」を導入することに決めたのです。

決め手となったのは、元々老舗旅館を経営している陣屋コネクトさんが自社の経営再建のために開発したITツールだということ、また業務改善の事例紹介も豊富で大変分かりやすく、導入に際してのサポート体制も整っていたということがポイントです。実際に導入したのは2020年の12月で、運用し始めて2シーズン目となります。

<効果>
ランニングコストを削減し、コロナ禍前よりも売上がアップ!

オンプレミス型をクラウド型にしたことによって、どこからでもアクセスできるので、さまざまな情報をリアルタイムに把握できるようになりました。空室状況や部門ごとの売上などはもちろん、現場では気づけないことを経営サイドで気づいて対応できるケースも多いですね。旅行代理店への商品提案もスムーズにできるようになりましたし、現場サイドの作業効率が向上することによる、ホスピタリティのさらなる充実も期待しています。

コロナ禍での導入でしたが、2021年の夏はコロナ禍前の2019年よりも売上が上がりました。初夏から秋へかけてのグリーンシーズンにおいても、マーケティング・営業活動の精度を上げることによって売上拡大・稼働率の向上を目指しています。また、システム運用の面では月々のランニングコストを大幅に削減することができました。

一方で課題もあります。陣屋コネクトは旅館の運営がベースですので、弊社のような長期連泊のあるホテル運営とは宿泊形態やオペレーションが微妙に異なり、現状の機能では対応しきれない細かいアレンジが必要となってきています。そのため陣屋コネクトさんには現在も継続して機能のカスタマイズに対応していただいています。

<今後の展望>
クラウド化を推進して優秀な人材確保につなげ、さらなる事業拡大を目指す。

私どものホテルは志賀高原の一番奥地にあるという立地上、やはり人材の確保が難しいという課題があります。都心でも仕事ができるということは、より多くの人材確保につながりますから、今後はホテル管理システムに限らず、クラウド上でさまざまなシステムを構築して、遠隔地でリモートワークができる仕事を増やしていきたいですね。

また、弊社は「マウンテンリゾートを元気にする」という観点で様々な事業展開をしており、スキーウェア開発などのアパレル事業もスタートしました。私どものような宿泊施設は、実際に足を運んでいただかないとその魅力が伝わりません。そこで、マウンテンリゾートが盛んなニセコや白馬へ自社製品を打ち出していくことによって、逆に奥志賀高原ブランドの認知度拡大にもつながると考えています。既存のオンラインショップもアパレル商品を加えてさらに充実していく予定で、I Tツールをよりいっそう活用しながら、さらなる事業拡大を目指します。

<IT化を進めようとする皆さまに一言>
リスク分散の面でもクラウド化は重要。補助金も活用してぜひチャレンジを。

リスクを分散する意味においても、会社のITツールをクラウド化することは大いに意義があると考えます。私どもまだまだIT化の途上ではありますが、遠隔地でのリアルタイムな経営状況把握以外にも、業務効率化によるサービス品質の向上、原価率・人件費の低減などさまざまな効果を期待しています。IT導入補助金などの制度をうまく活用して、ぜひチャレンジしてみてください。

企業概要

会社名 株式会社ズイカインターナショナル
URL

ホテルグランフェニックス 奥志賀
https://www.hotelgrandphenix.co.jp/

住所

〒381-0405
長野県下高井郡山ノ内町奥志賀高原371-0021

従業員数 40名
事業内容

ホテルの運営及びその他運営に関する一切の事業
スキーウェア製造販売

従業員数 40名