ITツール×ドローンで
森林調査にかける人員が
約8割減!

有限会社天女山(山梨県北杜市)

IT導入補助金2020 A類型

山梨県北杜市 八ヶ岳南麓で林業を営む有限会社天女山。
森林のデジタル化に向けて、積極的にIT導入を進めている。

<抱えていたお悩み>
「林業」ならではの厳しい経営環境とIT投資への躊躇

「林業」という業種は、他の業種に比べ、利益の確保が容易ではない構造になっています。

今まで通りのやり方ではこの状況を打開できないと考え、様々な先進技術を取り入れたいと考えるようになりました。その一つとして森林のデジタル化を行いたいと考えるようになったのですが、ただでさえ脆弱な経営状態でしたので、IT投資に踏み切ることができずにいました。

<導入したITツール>
3D GISツール「ScanSurvey Z Pro」

ドローンを使った森林解析を検討していたところ、ICT導入を先進的に行っている知り合いの建設会社様から紹介を受けたのが、IT導入支援事業者と出会うきっかけでした。

導入したITツールはIT導入支援事業者から提案いただいたのですが、当社が求める内容をまさに満たしているものでした。林業はGISを活用する業種ですが、このツールはカメラドローンにより取得した点群データの解析ができるだけでなく、GISとして活用することができるという優れものでした。

また、森林内に整備する作業道も取得した地表データだけでなく、国が提供するDEMデータも活用し自動設計が行えるという、林業に関する業務をすべてを網羅しているソフトでした。

※GIS(Geographic Information System)・・・地理情報システム
地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に加工して視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術。

<効果>
森林調査人員が約8割減! 調査コスト削減も実現

森林調査は林内を実際に歩いてすべての木を調査。その後事務所で調査結果の集計をエクセルで行っており、かなりの時間を要していました。

ITツール導入後は、別の補助金で導入したドローンで空撮し、その結果を点群データ化、解析もITツールで行うようになりました。


作業道は、地形図+従業員による現地調査でルートを設計・確定させていましたが、現在はITツールでルートをほぼ確定し、現地では最終確認を行うだけとなりました。

その結果、調査人員を削減することが可能となり、調査コストの削減も達成することができました(1ヘクタールの集計作業を含めた調査人員が約10名から2名に)。

<今後の展望>
売上の拡大に向けて、ITツールをさらに活用

林業のICTはまだ発展途上のため、導入したITツールで経営が劇的に変化するというわけではありませんが、補助金も活用してその第一歩を踏み出せたことは非常に重要であると考えています。

導入したITツールやドローンを活用して、コストの削減だけでなく、森林所有者様へ魅力的な施業プランを提案し、森林経営受託面積の拡大を図っていきます。解析技術もさらに高め、小規模な森林調査業務の受託も進めていきたいですね。

林業は危険も伴いますが勘と経験に頼りがちでした。今後は、ある程度の技術や経験値でも安全で確実な作業が行えるよう、システムの構築を図っていきたいです。

安定的で持続可能な林業経営に向かって、これからもIT導入を進めていきます!

企業概要

会社名 有限会社天女山
URL https://www.tennyosan.com/
住所 山梨県北杜市大泉町西井出8240-1726
従業員数 13名
事業内容 木材伐採、森林整備、林業付随サービスなど
・山梨県「意欲と能力のある林業経営体」選定企業
・YouTubeで林業の疑問に答える動画等を配信中
 https://www.youtube.com/channel/UCcfjWV6YKX4XI6hsljbM2WQ
従業員数 13名