クラウド会計ソフト導入によって、勤怠管理をはじめ経費精算などバックオフィス業務を効率化。
遠隔でも作業可能な体制を整え、全社的にリモートワーク体制が定着。
キュリカでは、当社独自の「キュリカカード」を使って、お給料日を待たずに全国10万台以上のATMから直接お給料を引き出せる、日本初※の給与前払いサービス「CYURICA(キュリカ)」を提供しています。給与の貸付や立替ではなく、資金移動業者が運営する法的にリスクのない安心で安全なサービスで、ビジネスモデル特許を取得しています。
そもそもCYURICAは、人材派遣会社の株式会社ヒューマントラストにて開発され、2008年から社内向けに運用されてきたサービスです。2016年から社外への提供を開始し、CYURICAの運営会社として設立した当社へ2019年12月に事業譲渡されました。
当初、CYURICAをはじめ、勤怠管理や経理などバックオフィス業務については、親会社であるヒューマントラスト社独自の基幹システムを活用していました。現在当社では株式上場を目指しており、その一つの基準としてバックオフィス業務に関しても親会社からの独立性を求められるようになりました。まだ走り出したばかりのベンチャー企業ですので、いかにコストをかけずに、独自の社内システムを導入・構築するかが喫緊の課題となっていました。
それを解決する手段として検討したのが、IT導入補助金を活用した「クラウド会計ソフト」の導入です。実は以前、私自身が「IT導入支援事業者」の企業に勤めていた経緯があって、IT導入補助金の知識があったのです。コロナ禍にあって感染リスクを抑えるためにも、積極的にITツールを活用してリモートワークを推進していこうという全社的な動きも重なり、導入に向けて本格的に動き始めました。
※株式会社キュリカ調べ。給与口座を持たず、カードを使いATMで出金できる点において日本初。
従来使っていた会計システムはクライアントサーバー型で、データセンターでサーバ管理する仕組みでしたので、IPアドレスによる制御等もあり、出社しなければログインできない仕組みでした。ですから管理部門はもちろん、営業部門での経費精算も基本的には事務所に居なければ業務を行えなかったのです。また親会社の基幹システムはセキュリティが強固な反面、リモートワークには適していないというデメリットがありました。
こうした状況を踏まえ、新たな会計ソフトを導入するにあたって、選定の基準として挙げた条件がいくつかありました。まずは、リモートワークに対応可能な環境を整備するために「クラウド型」であることと「セキュリティ面も担保できる」こと。そして、CYURICAと連携して売上管理ができること。さらには、上場基準を満たす会計システムであり、IT導入補助金の対象にもなっているということです。
この基準を満たすITツールとして選定したのが、今回導入した「マネーフォワードクラウド」でした。元々取引実績があった会社というわけではありませんでしたが、当社が求める条件が明確でしたので、選定から導入まで比較的スムーズに進めることができました。
導入から1年近く経過しましたが、一番大きな効果はリモートワークが一挙に進んだということです。導入前は会計伝票の起票や経費精算や稟議申請の回覧など出社しなければできなかったさまざまな業務が、リモートで対応可能となり、ペーパーレス化にも寄与しています。管理部門の業務は作業効率という面では当初4人体制だったのが、現在は2人体制で可能となり、上場に向けた準備に注力できる環境が整いつつあります。機密情報保護の関係で書類を持ち帰れないという制限はありますが、会社で対応する仕事と、自宅からオンラインでできる仕事とのメリハリをつけて、リモートワーク率は導入前のゼロから50%になりました。
導入と時を同じくして、勤怠の仕組みにもコアタイムのないフルフレックス制を導入しました。特に管理部門の業務はひと月の中でも月末月初などの繁忙期がありますので、フレックスを活用して業務を効率的に行えているようです。
また、営業部門の働き方も大きく改善することができました。会社に戻らなければできなかった経費精算について、スマートフォンでどこからでも申請できるようになりましたし、過去の申請内容もコピーできるので手続きがよりスムーズになりました。ソフトの機能が日々バージョンアップされるのも、クラウド型ソフトの優れた側面だと思います。
ここ一年で、オンライン会議可能な環境も急速に整いましたので、それも手伝って全社的にリモート化は加速し、現在は、取引先企業との会議もオンラインで行うことが一般化しています。
現在当社で展開しているのは、給与前払いサービスの「CYURICA」と、求人・求職のマッチングと給与の即時受け取りがセットになった「ジョブペイ」(現在OEMにて他社がサービス展開中)の2本柱です。現在は給与の前払いという単体のサービスがベースですが、今後我々が目指すのは、働く人々に価値ある時間を過ごしていただくためのインフラを構築すること。「給与」をキーワードにいかに今後サービスの利便性を追求していけるかを考えています。
また現在政府でも給与のデジタル払いが検討されています。当社では、給与の前払いをキャッシュレスで電子マネーとしてチャージできる仕組みや、外国人労働者向けに給与を国元の家族へ海外送金できるサービスについても開発を進めています。
当社の強みは、バンキングシステムと独自のIT技術を融合させたオリジナティの高い新しいカタチの金融ビジネスモデルです。このIT技術をうまく活用しながら、今後も給与支払い関連のデジタル化を推進していきたいと考えています。
現在、我々が経験したことが無いパンデミックが進行しています。そのために、我々の生活様式もビジネススタイルも一気に変革を遂げました。国もさまざまな形で支援を行っています。IT導入補助金もその中の1つですが、このような支援をうまく活用してIT化を進めることができるか否かが、企業が生き残るうえでとても重要な選択肢であると考えています。導入事例を参考にして、専門家のサポートをうまく活用して、まずはIT化の一歩を踏み出してみて頂きたいです。
会社名 | 株式会社キュリカ |
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URL | https://www.cyurica.co.jp |
住所 | 〒150-0002 |
従業員数 | 20名 |
資本金 | 185,025,000円(2021年11月15日現在) |
事業内容 | 金融業 |
従業員数 | 20名 |