セルフ注文・レジ導入で業務効率化!
データ活用で顧客単価もアップ!

杏亭グループ(和歌山県和歌山市)

IT導入補助金2020 C類型-2

1993年創業。味と食材にこだわった弁当店を展開。
IT化でさらなる顧客満足度の向上と利益の拡大を目指す。

<抱えていたお悩み>
オーダーの混雑緩和と会計業務のミス解消が課題

 杏亭グループでは、「残されないお弁当作り」をモットーに、主菜はもちろん、副菜や漬物に至るまで味と食材にこだわった弁当店を和歌山市で展開しています。全国各地の新鮮な特産野菜などを使用し、昆布、椎茸、けずり節からじっくり出汁をとり、極力添加物を使わず店内での手作りを心掛けて、安心・安全なお弁当をご提供し続けています。
 
 これまで店頭では、スタッフが対面で注文をお伺いして会計を行う方式で、特にランチタイムにはお客様が集中して行列ができてしまう状況でした。注文、会計、オーダーを伝票に手書きして厨房へ通す、という一連の作業を1名で対応していましたので、会計してからオーダーまでのタイムロスや釣り銭の受け渡しミス、オーダー違いなど、さまざまな問題が発生していました。

 この状況を解消できる方法がないか検討した結果、「セルフ注文・レジシステム」を導入すれば、スタッフの負担を軽減でき、さらに顧客満足度を高められるのではという考えに至り、導入へ向けて具体的に動き始めたのです。

<導入したITツール>
飲食店専用POSレジ &オーダーシステム
「テンポスエアー」を導入

 「セルフ注文・レジシステム」は大手チェーン店では一般的になりつつありますが、コストがかかりますので、個人店舗ではなかなか導入に踏み切ることができません。少しでも安価で機能性の高いシステムはないものか検討を重ねた結果、飲食店専用POSレジ&オーダーシステム「テンポスエアー」を導入することに決めました。価格と機能の妥当性と、お客様が注文しやすいデザインや操作性が決め手でした。

 「IT導入補助金」の情報は、「テンポスエアー」を販売している株式会社テンポス情報館のホームページで知りました。「テンポスエアー」はIT導入支援事業者として登録されていたので、同社の全面サポートのもと申請を行うことができて非常にスムーズでした。導入時には、現地で機器の設置や操作トレーニングをしていただきました。

<効果>
会計ミスは9割削減!顧客単価は2割アップ!

 「テンポスエアー」の端末を2台導入して1年ほど経過しましたが、もはや以前の状況へ戻すことは考えられないほどに業務が効率化しました。

 まず、お客様が注文&決済を完了した時点で瞬時に厨房へ情報が届くため、オーダーミスがなくなるとともにご提供までのスピードもアップ。セルフレジのため、釣り銭の受け渡しミスもなくなりました。スタッフの作業時間に余裕ができた分、料理にひと手間かけるなど、料理の質や顧客満足度の向上に力を注ぐことができるようになったと実感しています。

 また、コロナ禍で対面接客を気にされるお客様もいらっしゃいますので、注文のやりとりや金銭の受け渡しがなく、タッチパネルで完結できることも喜ばれています。

 さらに大きなポイントは、追加注文を促す仕組みがあることです。注文画面で「オススメのオプションメニュー」を表示できるので、お客様ご自身でメニューに合ったオプションを気軽にお選びいただけます。この販促機能によって追加注文が格段に増え、顧客単価は2割以上もアップしました。

<他の補助金活用について>
「中小企業デジタル化応援隊事業」活用で、
戦略的なメニュー改定を実現!

 「IT導入補助金」で「テンポスエアー」を導入した後、「中小企業デジタル化応援隊事業※」も利用しました。以前より取引のあったコンサルティング会社の勧めで、同社のIT専門家から売上データ分析やキャッシュレス決済の導入などに関するアドバイスを受けました。

 以前は、紙の注文伝票しかないこともあってリアルな数字によるデータ分析は難しい状況でしたので、現場の肌感覚でチラシ作成やメニュー改定を行っていました。「テンポスエアー」の導入後は、正確な注文データが自動で取れるようになり、デジタル化応援隊でそれらのデータを活用したABC分析の自動化支援等を受けたことで、販売実績をもとにメニューをリニューアルするなど戦略的なプロモーションに生かすことができるようになりました。また、店頭でのキャッシュレス化(QRコード決済の導入)も実現するなど相乗効果を発揮しています。

※中小企業デジタル化応援隊事業:自社のデジタル化を進めるため、「中小企業デジタル化応援隊」として選定された各分野のIT専門家による支援を安価に受けることができる制度です。

<今後の展望>
キャッシュレス化の促進とホームページの充実を図る

 新たな取り組みとして、LINEを用いた「予約・注文サービス」を導入しました。ご自宅や外出先にて注文・決済し、店頭では受け取るだけですので、非常に効率的でお客様からも大変好評です。

 今後は、クレジットカードや交通系ICカードなどによる決済も充実させたいと考えています。和歌山はまだまだ現金決済が主流な地域ですが、地域の先駆けとしてキャッシュレス決済をどんどん広めていきたいですね。

 既存のホームページも今後さらに充実させていきたいです。やはり見た目は重要ですから、お弁当の彩りや美味しさ、こだわりがお客様に一層伝わるサイトを目指したいですね。杏亭グループでは仕出しや高級ステーキ弁当などもご提供しており、今後は専用ホームページ(ランディングページ)やチラシ作成等の販促活動に力を入れていきたいと考えています。これからもハレの日の食卓や、大切なお客様へのおもてなしなど、地域の皆様のさまざまなニーズにお応えしていきたいと思います。

<IT化を進めようとする皆さまに一言>
制度を熟知する「IT導入支援事業者」に相談を

 補助金活用でネックになるのは、申請手続きに関する時間と労力です。IT導入補助金では、一定の審査基準をクリアし、「IT導入支援事業者」として認定された事業者からツール導入・申請等のサポートを受けることができます。また、電子申請なので申請書を印刷・発送する必要もなく、比較的楽に申請を行うことが可能です。

 まずは気軽にIT導入支援事業者に相談してみることをオススメします。

企業概要

会社名 杏亭グループ
URL http://fortunebox.biz/wakayama/
住所

・古屋店
 〒640-8435 和歌山県和歌山市古屋93-1
・県庁前店
 〒640-8241 和歌山県和歌山市雑賀屋町東ノ丁62

従業員数 41名
事業内容

・宅配・持ち帰り飲食サービス業
・「食品衛生優秀施設」表彰(和歌山市)
・「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成を目指します。

従業員数 41名